夢ワカメ日記

 平成19年11月24日〜平成20年2月23日におこなった夢ワカメ・ワークショップの記録です。
 みんなのワカメによって、横浜の海はどれくらいきれいになったでしょうか。

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第1回ワークショップ〜種糸の取り付け

平成19年11月24日(土)

参加者集合

 高気圧に覆われて快晴となった関東地方は、気温15度というもの、風も無い状態なので例年よりとても暖かく感じます。みなとみらい21地区から見える風力発電機の風車も静止しており、海面もとても静かな朝を迎えました。
 午前9時に集合したスタッフは、組み上げたイカダを海面に設置し、ワカメの種糸を取り付けるための諸準備を行いました。今回も冷たい海の中で、「海をつくる会」のダイバーたちが大活躍です。
 午後になると参加者の皆さんが続々と集まってきます。本年度は参加募集を10月1日から開始しましたが、いつものようにあっという間に定員に達してしまいました。初めて参加されるみなさん、毎年参加されているみなさんも、ありがとうございます。

ワカメの種糸

 毎年ワークショップをはじめる前に解説していますが、ワカメの生長は自然まかせなので、まちまちです。大きく育つものもあれば、脱落したり育たないものもあります。どちらにせよ、大きな生長を願って種糸の取り付けを行いましょう。
 今回も岩手県釜石産と神奈川県三浦産、二種の種糸を取り付けます。生長してからどのような違いがあるか、形はどうか、何と言っても味はどうかが楽しみにですね。しかしながら、このワークショップは横浜港の海をワカメによって浄化しようという目的があることを忘れてはなりません。
 参加者のみなさんには、まず、自分のワカメの目印となるプラバンを作成してもらいます。そのプラバンをイカダに張るロープに留め、両側に二種類の種糸を挟み込みます。こうして、12班、12本のロープに付けられた種糸が、ダイバーの手により海面のイカダに設置され、無事にみなさんの思いが託されました。

記念写真

 今年はスタッフを含め、総勢290名の参加で種糸の取り付け作業を行いました。さて、横浜港の海で、ワカメはどのような生長をとげるのでしょう。そして、どのくらい水質を浄化することになるのでしょうか。今回は、ヨード不足に悩むアジアの山岳民族の子どもたちに、海から山への贈り物として、生長したワカメの一部をとどけようという取り組みも同時に行われていますので、是非とも大きくなってほしいですね。
 参加された皆さんは、来年の2月23日(土)に忘れずに収穫にきてください。

第2回ワークショップ〜ワカメの回収

平成20年2月23日(土)

ワカメの回収

 本日は天気が良く暖かいのですが、午後から発達した低気圧の影響で春一番も吹くという荒れ模様となるため、午前中に作業を片づけてしまいます。集合時間に集まった参加者のみなさんは、昨年11月に種付けをしたワカメを回収するのが待ち遠しい様子で、海に浮かぶイカダを見守ってます。
 作業の説明が終わると、早速「海をつくる会」のダイバーたちが、天候が変わらないうちにワカメのイカダを岸に寄せ、種糸を付けたロープはずす作業に係ります。いつものことですが、生長著しいワカメの重さに苦労しながら引き上げると、今年も大きく育ったその姿に歓声があがりました。目印としてくっつけたプラバンにはコケがはえ、大きなメカブや葉の間にはワレカラやヨコエビなどの生きものが無数にくっついています。約90日間でこのように生長するとは驚きです。

ワカメの計量

 それぞれのワカメはバネ秤でその重さをはかり、スタッフが重量を記録して集計していきます。今年は漁師さんのアドバイスもあり、昨年のように間引くことはしなかったのですが、脱落したものも少ないようで、だいたい120〜150cm位に育っていました。しかし、ワカメの生長はまちまちで、イカダにとりつけた場所や重さにより脱落してしまったものもあり、かなり小さなワカメもありました。そんな方々には、余ったワカメをお分けしていますので安心してください。今回はひとり平均3kg、大きなものでは5kg位はあったでしょうか。
 ひと通り作業が終わると、お昼の時間です。毎年恒例ワカメの味噌汁の他に、今回はいつもワカメの種糸を提供してくださっている釜石湾漁業協同組合のみなさんからワカメをつかった煮物や佃煮なども用意していただきました。参加者のみなさんには大好評で、あっという間にお皿が空になってしまいました。調理方法も配布しましたので、各家庭の食卓にはしばらく美味しいワカメ料理が並ぶことでしょう。

ワカメ料理

 今回の参加者総数260名、スタッフが40名で合計300名でのワークショップになりました。回収したワカメの総量は766.3kg(毎年、だいたいこれぐらいですので、現在のイカダのサイズ5m×20mでできる量はこれぐらいと決まっているようです)、回収した窒素の量で1.75g。リンの量で0.53g。大人二人が90日間生活して排出する量に匹敵します。量的には微々たるものかもしれませんが、参加者のみなさんが海をますます好きになり良くして行ってくれることと思います。詳しくは下記の浄化効果計算結果をご覧ください。
 また、今年は参加者のみなさんからワカメの一部を寄付していただきました。これらのワカメは乾燥させた後、ミャンマーの山岳民族でヨード不足により健康被害のでている子供たちに送り届けられます。
 皆さん、横浜の海をきれいにするだけでなくアジアの子どもたちへもご協力いただき、ありがとうございました。来年度も是非ご参加ください。釜石ツアーもお楽しみに!

ワカメの寄付 記念撮影

浄化効果計算結果〜どれくらい横浜港をきれいにしたか

 人間の生活から流される排水などには、窒素やリンが含まれています。これが適度に海に流れ込むと栄養になり、生き物のためになるのですが、多すぎると富栄養化といって赤潮などの原因にもなり、生物が棲めない海になってしまいます。みなさんが育成したワカメは窒素やリンを吸収して大きくなりました。つまり横浜の海をどれだけきれいにしたかという結果です。
 事前に一部のワカメで窒素やリンがどれくらい含まれているか分析をしました。それにみなさんが回収したワカメの重さをかけると全体の窒素やリンの回収量がわかります。総炭素というのは、ワカメを有機物として見立てた場合に炭素量として表現したものです。
 今回のワカメ回収量は766.3kg、窒素量では1754.5g、リンの量では529.7gを取り上げました。ワカメの養成期間は、11月24日から2月23日まで91日間なので、窒素の単位面積あたり三次処理量(取り上げ量)は、1754.5g/91日/100m2であり、0.19mg/m2/日となります。
 一方、三番瀬の補足調査では、窒素の三次処理量は100mg/m2/日と計算されています。これを分かりやすく下水処理場と比較すると、1,280haの三番瀬の浄化量は13万人分の下水処理場に匹敵するとされています。これを1人分の干潟面積に換算す ると、約100m2、あの筏と同面積になります。
 今回の浄化量は三番瀬干潟の2倍、「あの筏の上には海に負荷をかけずに2名弱を住まわせることができる」という結果がでました。

総計

番号 班名 ワカメの重さ(kg)
1 1班 73.00
2 2班 50.20
3 3班 56.00
4 4班 63.50
5 5班 64.20
6 6班 56.30
7 7班 64.90
8 8班 71.00
9 9班 57.60
10 10班 68.60
11 11班 62.30
12 12班 68.70
13 余り 10.00
- 合計 766.30

乾燥重量 (合計*0.072)(g) 55173.6
総炭素量 (乾燥重量×254÷1000) 14014.1
総窒素量 (乾燥重量×31.8÷1000) 1754.5
総リン量 (乾燥重量×9.6÷1000) 529.7

湯通し塩蔵ワカメの作り方

生ワカメ
 持ち帰った生ワカメはできるだけ早く、処理します。
湯通し
 1,000ccの水に30gの食塩を加え、沸騰直前まで湧かし、人工海水を作ります。たっぷりの海水で、充分熱がワカメにつたわるように撹拌し、ワカメの色が緑に変わったらお湯から出します(約40秒位)。この時、ワカメが大きい場合は、切って何回かに分けて湯通ししてください。
冷却
 湯通し後、速やかに人工海水で冷却します。
水切り
 冷却したワカメは、水が切れる籠に入れ軽く上から手で抑え、水を切ります。
塩もみ
 水が切れたら、1kgのワカメに対して300gの塩をまぶし、手で充分塩もみします。
塩漬け
 水切り篭を敷いた容器に塩もみしたワカメを入れ、上から蓋をし、重石(1リットルプラスチックに水を入れたものでも可)を載せ、翌日まで冷蔵庫に保管します。その際、ワカメから水が出ますので、その水がワカメに係らないように気をつけること。
脱水
 翌日、ワカメから出た水若しくは人工海水でワカメの塩を洗い流した後、再度、水分を取ります。
塩蔵ワカメ
 刈取日にお渡しした岩手の塩蔵ワカメと比較して見てください。製品は、芯抜きという作業を施し、ワカメの葉だけでできております。