夢ワカメ日記(平成18年度)

 平成18年11月25日〜平成19年2月24日におこなった夢ワカメ・ワークショップの記録です。

第1回ワークショップ〜種糸の取り付け

平成18年11月25日(土)

種糸の取り付け

 心配していたお天気も日頃の行いが良いせいか、高気圧に覆われて快晴となりました。しかし、気温は14度と日中でもひんやりとしています。
 スタッフは午前中にみなとみらい21の臨港パークへ集合し、受付の準備やワカメの種糸を取り付けるイカダを組み上げて横浜港の海面に設置する作業等を行いました。そして、参加者の皆さんを待ちます。
 午後になると参加者の皆さんが続々と集まってきました。今年は9月20日から参加募集を開始しましたが、10月10日の時点で定員に達してしまい、その後お問い合せをいただいた100人以上の方々にお断りしなければなりませんでした。残念ながら今回参加することができなかった方は来年はお早めに申し込んでいただき、是非ご参加ください。

ダイバー

 参加受付が終わった後、このワークショップの開会となります。神奈川県水産技術センターの工藤孝浩さんからワカメの浄化能力や作業についての説明を聞き、今年は12班に分けてそれぞれ種付けを行ってもらいました。
 まず、ひとりひとりが自分のワカメの目印とするプラバンを作ります。番号と名前を忘れずに書き、絵など目印となるものを描いたものをトースターで焼き上げるとプラバンの完成です。途中、トースターに電気が来なくなるアクシデントもありましたが、何とか無事に完了。このプラバンと一緒に、岩手県釜石市から送られてきたワカメと地元神奈川県三浦産のワカメの種糸をロープにはさみ込むのが今回の重要な作業です。全員が種糸をロープにくっつけ終わったら、ワカメが乾燥しないうちに素早く記念撮影をして海へ運びます。このロープは「海をつくる会」のダイバーたちの手によりイカダに結びつけられ、来年2月の収穫のときまでこの横浜の海で育てます。寒い中、ダイバーの皆さんもおつかれさまでした。参加者のみなさんにも楽しみながら作業を行っていただけたようでなによりです。

イカダ

 今年は252人の参加者の皆さんが12本のロープにワカメの種糸を取りつけました。それぞれのワカメは個体差やイカダの場所などにより生長はまちまちです。自然環境の中では大きく育つものもあれば、育ちが悪いものもありますが、みんな大きく育つことを願って収穫のときを待ちましょう。
 ともかく、来年の2月24日(土)には大きなビニール袋とお椀とお箸を忘れずに持ってきてください。

第2回ワークショップ〜ワカメの回収

平成19年2月24日(土)

ワカメの回収

 本日の横浜港は天気は良いのですが風が強く、ワカメのイカダを浮かべた水面は波立っています。寒い中、昨年の11月に種付けをしたワカメを回収するため、集合時刻の10時に大勢の皆さんが再びみなとみらい21に集まりました。
 今年は2月4日に間引きをしなければならなかったほどワカメが育ちました。いつも通り、「海をつくる会」のダイバーたちが、ワカメの種糸を付けたロープを海に浮かぶイカダからはずして陸へ運んで来るのですが、生長著しいワカメの重さに苦労している様子です。やっとの思いでロープを引き上げると、そのワカメの立派な姿に皆から歓声があがりました。参加者の皆さんが目印としたくっつけたプラバンは、大きなメカブに隠れてなかなか見つかりません。大きく育ったワカメの葉の中にはワレカラやヨコエビなどの生きものが無数にくっついています。ワカメは海水を浄化するだけでなく、このような海の生きもののゆりかごにもなっているのです。

ワカメチャンピオン

 探し出したマイワカメは、それぞれバネ秤でその重さをはかり、各班のスタッフがひとりひとりの重量を記録して全員分をまとめます。この総計に係数を掛けると、回収したワカメが窒素・リンなどを吸収した量が算出されます。これが、みんなで横浜港をきれいにした量となるのです。毎年の事ながら、ワカメの生長はまちまちですが、今回はひとりあたり3kg〜5kg位はあったでしょうか。一番重かった方は7.9kgもありました。これだけ重いと、持って帰るのも加工するのも大変だったことでしょう。
 作業が終わったら、毎年恒例、ワカメの味噌汁大会です。風の強い海辺で作業した後ですので、温かい味噌汁が心と体に染み渡ります。寸胴一杯の味噌汁はあっという間に空になってしまいました。

回収したワカメ

 今回のワカメ回収量は856.25kg。窒素量では1960.47g、リンの量では591.84gを取り上げました。ワカメの養成期間は、11月25日から2月24日まで92日間なので、窒素の単位面積あたり三次処理量(取り上げ量)は、1960.47g/92日/100m2であり、213mg/m2/日となります。一方、千葉県の三番瀬の補足調査では、窒素の三次処理量は約100mg/m2/日と計算されています。これを分かりやすく下水処理場と比較すると、1,280haの三番瀬の浄化量は13万人分の下水処理場に匹敵するとされています。これを1人分の干潟面積に換算すると約100m2、海に浮かべたワカメの筏と同面積になります。今回の浄化量は三番瀬干潟の2倍になりますので、「ワカメの筏の上には海に負荷をかけずに2名弱を住まわせることができる」という結果が出ました。
 本年度も大勢の参加者のみなさん、ご協力いただいたみなさんのおかげで、無事に終了することができました。今回は早々と定員に達してしまったため、100名以上の方々にお断りしなければなりませんでしたが、来年もまたこのウェブサイトでご案内しますので、今回参加された方も参加できなかった方も、お早めにお申し込みいただき、一緒にワカメを育てて東京湾をきれいにしましょう。
 皆さん、ありがとうございました。

浄化効果計算結果〜どれくらい横浜港をきれいにしたか

 人間の生活から流される排水などには、窒素やリンが含まれています。これが適度に海に流れ込むと栄養になり、生き物のためになるのですが、多すぎると富栄養化といって赤潮などの原因にもなり、生物が棲めない海になってしまいます。みなさんが育成したワカメは窒素やリンを吸収して大きくなりました。つまり横浜の海をどれだけきれいにしたかという結果です。
 事前に一部のワカメで窒素やリンがどれくらい含まれているか分析をしました。それにみなさんが回収したワカメの重さをかけると全体の窒素やリンの回収量がわかります。
 総炭素というのは、ワカメを有機物として見立てた場合に炭素量として表現したものです。
 2月4日に間引いたものも含めた総計を下記に掲載しました。

総計

番号 班名 ワカメの重さ(kg)
1 1班 75.10
2 2班 64.50
3 3班 56.90
4 4班 57.00
5 5班 60.20
6 6班 62.90
7 7班 57.10
8 8班 62.40
9 9班 45.45
10 10班 50.95
11 11班 60.95
12 12班 81.90
13 間引き 121.20
- 合計 856.25

乾燥重量 (合計*0.072)(g) 64650
総炭素量 (乾燥重量×254÷1000) 15659.1
総窒素量 (乾燥重量×31.8÷1000) 1960.47
総リン量 (乾燥重量×9.6÷1000) 591.84

付録:湯通し塩蔵ワカメの作り方

生ワカメ
 持ち帰った生ワカメはできるだけ早く、処理します。
湯通し
 1,000ccの水に30gの食塩を加え、沸騰直前まで湧かし、人工海水を作ります。たっぷりの海水で、充分熱がワカメにつたわるように撹拌し、ワカメの色が緑に変わったらお湯から出します(約40秒位)。この時、ワカメが大きい場合は、切って何回かに分けて湯通ししてください。
冷却
 湯通し後、速やかに人工海水で冷却します。
水切り
 冷却したワカメは、水が切れる籠に入れ軽く上から手で抑え、水を切ります。
塩もみ
 水が切れたら、1kgのワカメに対して300gの塩をまぶし、手で充分塩もみします。
塩漬け
 水切り篭を敷いた容器に塩もみしたワカメを入れ、上から蓋をし、重石(1リットルプラスチックに水を入れたものでも可)を載せ、翌日まで冷蔵庫に保管します。その際、ワカメから水が出ますので、その水がワカメに係らないように気をつけること。
脱水
 翌日、ワカメから出た水若しくは人工海水でワカメの塩を洗い流した後、再度、水分を取ります。
塩蔵ワカメ
 刈取日にお渡しした岩手の塩蔵ワカメと比較して見てください。製品は、芯抜きという作業を施し、ワカメの葉だけでできております。