先月二日、東京湾で発生したタンカー原油流出事故で、同湾の環境問題などに取り組んでいる市民団体「東京湾海洋研究会」(会長・風呂田利夫東邦大助教授)が来月十三日、「どうする東京湾!タンカー事故緊急シンポジウム」(県、横浜、川崎、横須賀市など後援)を開く。海上交通過密地帯の同湾で、たびたび重大事故が発生することに危機感を抱き、事故の問題点などを明らかにすることが狙いだという。
同研究会は一九九三年、東京湾の自然などを取材していたジャーナリストらが集まって結成。九四年から毎年一回、「知る・食べる・考える」をテーマに、同湾で取れた魚を試食するなどのイベントを実施している。
今回のシンポジウムにはパネリストとして、漁業従事者、東京水産大教授、川崎市港湾局企画課長、全日本海員組合中央執行委員長、海洋ジャーナリストの五人が参加。筑波大社会工学系の安田八十五助教授をコーディネーターに、(1)再発防止のための緊急課題(2)東京湾の事故対策としての短期的課題(3)海上交通に関する法令上の問題など長期的な課題-の三点を中心に討議する。
県庁で会見した海洋ジャーナリストで横須賀市議の一柳洋さんは「東京湾では二十三年前の第十雄洋丸とパシフィック・アレス号の衝突事故や、九年前のなだしおと第一富士丸の衝突事故、先月の原油流出事故と、ほぼ十年おきに重大事故が発生している。だが毎回、一過性の問題で終わってしまっているため、今回の事故を契機に根本から考え直したい」と話している。
シンポジウムは、来月十三日午後一時から四時まで、川崎市川崎区東田町五ノ一、同市労連会館五階で開かれる。定員は三百人で当日、先着順で受け付け、資料代五百円。問い合わせは安元順さんへ。
今年七月、東京湾で起きたタンカーの原油流出事故を教訓に、湾内交通問題の抜本的解決法を考えようと十三日、川崎区の市労連会館で「どうする東京湾!タンカー事故緊急シンポジウム」が開かれ、海上交通や環境問題の専門家らを含む約二百人が参加した。
主催は学者、ジャーナリスト、市民活動家らでつくる「東京湾イベント実行委員会」(飯塚正良委員長)。三年前から「知る」「食べる」「考える」をテーマとしたイベントを開催している。九年前の第一富士丸と潜水艦なだしおの衝突事故など、ほぼ十年に一度大事故が発生する東京湾のさまざまな問題点を洗い直そうと企画した。
シンポジウムには環境問題の専門家、釣り船などの遊漁船関係者、海洋ジャーナリストら六人がパネリストとして参加。この中で安田八十五・筑波大学助教授は「そもそも狭い湾内に巨大タンカーが入っていいのか疑問もある。観音崎など湾口部にパイプライン施設をつくってはどうか」と指摘。全日本海員組合の川俣恭平中央執行委員は「タンカーから釣り船まで船の種類・数が多く、航行方向も複雑。コストの安い外国船は全体の八十パーセントを超えるが、運行技術が未熟で事故率も高い」として経済効率だけでなく、安全面をもっと考慮すべきだと訴えた。
一方、行政側からは川崎市の三好友和港湾振興課長が「あれほどの事故は想定しておらず、オイルフェンスを張るのに所定の二倍以上の時間がかかった」として不慣れさを強調、油回収船の湾内常駐など国の対策強化を求めた。
これに先立ち三百メートル級タンカーの湾内進入の様子などがスライドで上映され、海上の激しい”混雑”ぶりに参加者からは「事故が起きないほうが不思議だ」といった声が上がった。
七月二日の東京湾タンカー原油流出事故を考える「どうする東京湾!タンカー事故緊急シンポジウム」(東京湾海洋研究会など主催)が十三日、川崎市川崎区東田町の市労連会館で開かれた。
東京湾の開発に関する著作の多い安田八十五・筑波大助教授をコーディネーターに、川崎市港湾局企画振興課長、釣り舟業者らパネリスト五人が出席。油処理剤の問題、洋上の危機管理情報の公開といった問題を、約三時間にわたって討論した。
パネリストからは「バキュームカーがナホトカ号の重油回収に活躍したのはあまり知られていない。情報公開がスムーズなら、今後、参考になることも多い」「自治体の相互連絡を密に」といった意見がだされた。