変わりつつある東京湾の現状を知ってもらおうと、横浜、川崎、千葉など同湾岸在住の大学教授やダイバーらがタイアップし、6月から7月にかけて、横浜市内で「江戸前の健康な海をみらいに-知る・食べる・考える」と題したイベントを開く。漁師の話を聞きながらの地魚料理会食会や東京湾の船上見学会、シンポジウムを通じ、沿岸開発で様変わりした水際線に、市民の関心を向けてもらおうという狙いだ。
このイベントは、横須賀市、千葉県船橋市に次いで今回で三回目。横浜市の自然保護団体「海をつくる会」事務局長で同市職員の塩井豊さんや、横須賀市在住の海洋ジャーナリスト一柳洋さんら、東京湾の各地で環境保全運動に取り組む人たちが九三年、「東京湾海洋研究会」を発足させ、同会が中心となってイベントを企画した。
横浜での催しの第一弾は、六月二十三日、金沢区柴町町内会館で開く地魚料理会食会。市漁協の漁師と料理人の話を交えながら、シャコやアナゴ、カワハギなどとれたての魚を使ったすしや煮物を味わう。食後は地元の魚市場を見学。岩垂寿喜男・環境庁長官も参加する予定という。
七月十九日には、みなとみらい21ぷかり桟橋から二百人乗りのチャーター船に乗り、金沢区の八景島、横須賀米軍基地付近を経て、東京湾で唯一の自然島・猿島を見学する。専門家が同乗し、自然海浜の浄化力などについて解説する。
また、翌二十日には横浜市開港記念会館でシンポジウムを開催する。県立生命の星・地球博物館の濱田隆士館長が東京湾の歴史などについて講演した後、鶴見川などの保護活動を続けている岸由二・慶應大教授や東京湾内湾の海洋生態研究を行っている風呂田利夫・東邦大理学部講師らがパネリストになり、湾岸開発の問題点を話し合う。
実行委員長の塩井さんは「直線的な護岸でなく、昔のような浅瀬の水際に作り替える方法はないか。海の本来の意味は何かについて、一緒に考える場にしたい」と話している。
参加料は、会食会五千円(定員五十人)、船上見学会四千円(同九十人)、シンポジウム千円(同五百人)で、いずれも事前の申し込みによる先着順。申し込みは、東京湾イベント実行委員会事務局へ。
地魚を味わいながら東京湾の未来を考えよう、という地魚料理の会食会が二十三日、東京湾の有数な水揚げ漁港として知られる横浜市金沢区の柴漁港内の同市漁業協同組合柴支所で行われ、市民ら五十人が参加した。東京湾イベント実行委員会の主催。
東京湾イベントは「東京湾を知る・食べる・考える」をテーマにダイバーらの呼び掛けで三年前から始まった。会食会は東京湾の地魚のおいしさや身近な漁港のありがたさを知ってもらおうという狙いで、横浜市漁業協同組合組合長の小山一郎さんが講師役を務めた。
食事の前に小山さんが東京湾の地魚の特徴や柴漁港の歴史などについて説明。まず最初に柴漁港で水揚げされたアイナメの荒いが振る舞われると、参加者は味だけでなく新鮮な色つやをめで楽しんでいた。
このほか、シャコやアナゴなど新鮮な地魚を使ったすしや煮物、焼き物、吸い物など食卓には江戸前の旬の味が勢ぞろい。小山さんの地魚談義を聞きながら料理を満喫した。
会場には、以前からこのイベントを後押ししてきた環境庁長官の岩垂寿喜男衆議院議員も姿を見せた。
東京湾イベントは今後、来月十九日にみなとみらい〜猿島間で東京湾船上見学会を開催。同二十日には沿岸の開発と自然の問題などをテーマにしたシンポジウムを横浜市開港記念会館で開き一連のイベントを締めくくる。
横浜から横須賀まで、船の上から沿岸の埋め立て地や港、基地、自然などを見つめる東京湾船上見学会が十九日、行われた。
東京湾の豊かな自然を残したいと考える、市民、研究者、ダイバーらが開く「東京湾イベント」の一環として実施された。
参加者約八十人は、横浜港の大桟橋からチャーター船に乗船、横浜ベイブリッジをくぐり本牧ふ頭のコンテナヤードなどを見ながら南下。金沢区の八景島、横須賀市夏島沖のメガフロート実験施設なども眺めた。
米軍浦郷倉庫地区付近に残された自然の海岸、同横須賀基地に入港中の空母インディペンデンスなど海からしか見学できない風景を一生懸命撮影する人も。
横須賀新港でいったん船を降りた参加者は、平成町の埋め立て地に造られた人工の潮だまりに、ボラなどの小魚が集まっている様子を観察。理想の姿とはいかないものの、工夫次第で海草がが生え、魚が泳ぐなぎさが復活できることを学んでいた。