横須賀、川崎、千葉などのダイバーたちが、東京湾を守ろうと、「東京湾海洋研究会」を作った。初めての活動として、今月から六月にかけて、横須賀市で「江戸前の健康な海をみらいに-知る・食べる・考える」と題した催しを開く。二○○一年まで、毎年、東京湾沿岸の各地に会場を移してイベントを開催、住民の関心を高めたいという。
この会は、横須賀市の海洋ジャーナリスト一柳洋さんや、千葉県でダイビングクラブを開いている塩見敏雄さん、水中写真家の須賀次郎さん、横浜・海をつくる会の塩井豊さんたち、ダイバー仲間や海に関心を寄せる七人で結成した。
いままでも、それぞれが個別に、東京湾の各地で環境保全活動に取り組んでいた。今後は、協力しあって東京湾全体を守ろうと、連携を組んだ。
催しの皮切りは今月二十一日、横須賀市本町三丁目のヨコスカ・ベイサイド・ポケットで開くシンポジウム。東海大情報技術センターの坂田俊文所長が、衛星から捕らえた東京湾の映像を紹介しながら、基調講演する。さらに、東京湾内湾の海洋生態を研究している風呂田利夫さん、千葉県の三番瀬を守る運動をしている小埜尾精一さん、一柳さん、水中写真家の中村征夫たちが、ビデオや写真を使い、現状を報告する。
六月五日には「街の中の魚市場」と銘打って、同市の東京ガス横須賀ショールームの中庭で、東京湾で取れたアジやイワシ、スズキ、カレイなどの料理の露店を開設、調理教室などを開く。
同十二日には観音崎の磯(いそ)の自然観察会を予定している。
同会の総合プロデューサーの一柳さんは「東京湾というと、汚くて、魚も取れないと思っている人がたくさんいる。まずは、多くの人に味わったり、見たりして、本当の東京湾に触れてもらいたい」と期待している。
シンポジウムは参加費五百円、観音崎観察会は千三百円、いずれも事前に申し込みが必要。問い合わせは一柳さんへ。
東京湾の自然をいつまでも残したい--。横須賀市や横浜市などの海を愛する人たちが、二十一日から六月にかけて三回、横須賀市内で「江戸前の健康な海をみらいに」と題したイベントを開く。相次ぐ埋め立てで姿を変えているが、「考える」「食べる」「知る」をテーマに同湾のすばらしさを訴える。
主催は同湾の環境保全に取り組んでいる海洋ジャーナリストや歯科医、鮮魚商らで作る「東京湾海洋研究会」(新藤健一代表)で、横須賀市や同市教委、横須賀漁業関連団体などが後援する。
イベントは、「考える」が二十一日午後二時から、京急汐入駅前のヨコスカベイサイドポケットで開くシンポジウム。東海大情報技術センターの坂田俊文所長が衛星画像解析をもとに宇宙から見た東京湾について基調講演し、東邦大理学部講師の風呂田利夫さんらパネリストがビデオとスライドで報告する。
「食べる」は六月五日午前十時から東京ガス横須賀ショールームで催す「街の中の魚市場」。取れたてのアジ、アイナメ、メバルといった地魚で江戸前の味を知ってもらうほか、魚のさばき方や料理教室を開く。
「知る」は同十二日午前十時から観音崎自然博物館前の海岸で開催する「磯(いそ)の自然観察会」。同湾唯一の岩礁海岸として知られる観音崎の磯を観察して海の営みを学ぶ。
定員や参加費などについての問い合わせは、同海洋研究会。
「江戸前の健康な海をみらいに」をテーマとした東京湾シンポジウム(東京湾海洋研究会主催)が二十一日、横須賀市本町のヨコスカベイサイドポケットで開かれ、約四百八十人が参加した。
身近な海・東京湾に親しんでもらうのが目的。パネリストに東海大技術センター所長の坂田俊文さん、水中写真家の中村征夫さん、東邦大理学部講師の風呂田利夫さん、三番瀬フォーラム代表の小埜尾精一さん、海洋ジャーナリストの一柳洋さんを迎え、スライドやビデオ、人工衛星からの写真を使って、東京湾の現状を多方面から紹介した。
東京湾海洋研究会は東京湾を長年研究してきたダイバー、学者、カメラマンらが集まり、東京湾全体を守ろうと昨年、結成された。将来は、仏に本部を置くクストー協会のように、信頼できる環境アセスメントを行う世界的な組織を目指したいという。
六月五日には、取れたての地で江戸前の味を知ってもらおうと横須賀市で「街の中の魚市場」を、同十二日には観音崎で「磯の自然観察会」などイベントを行う。
問い合わせは同研究会。
「江戸前の健康な海をみらいに」と題した市民団体主催の第一回東京湾イベントが二十一日、横須賀・京急汐入駅前のヨコスカ・ベイサイドポケットで開かれた。会場を埋めた約五百人の参加者はヘドロの海でしぶとく生き抜く魚たちや、「これが東京湾?」と思える美しい自然の姿に触れ、明日の東京湾の在り方を考えた。
この日は、長年東京湾を観察し続けている人たちによるシンポジウムが中心。初めに東海大情報技術センターの坂田俊文所長が衛星写真を使いながら説明、「東京湾は大きな食糧倉庫」とした。
続いて東邦大講師で海洋生態研究者の風呂田利夫さん、三番瀬を守る市民団体代表の小埜尾精一さん、海洋ジャーナリストの一柳洋さん、水中写真家・中村征夫さんがスライドや記録映画を使って、東京湾の知られざる素顔を紹介した。
千葉沖の三番瀬で続くアサリ漁や、湾奥部のヘドロの海でしたたかに生き抜く魚介類の生態、また、横須賀・観音崎周辺に生息するトロピカルフィシュなど、多彩な表情を持つ東京湾の海が、分かりやすく報告された。
それぞれの経験を踏まえて、東京湾の魅力を説明。「深い海は汚染で酸欠状態になり死の海となり、逆に浅瀬は生物の宝庫。だが、今は九割が消滅してしまった浅瀬を今後どう守るかが大切」「高度経済成長の汚れた海でも魚は生きていた。だが、その魚は食べられなかった。天然ものはうまい。みんなで(東京湾を)守ろう」などと訴えた。
イベントは「知る・食べる・考える」の三本柱。この日のシンポは「考える」。「食べる」は六月五日、「街の中の魚市場」と題して午前十時から、東京ガス横須賀ショールームに、アジやスズキ、カレイなど江戸前の味を知ってもらう市場が登場する。
「知る」は十二日午前十時から、横須賀・観音崎で「磯の自然観察会」が開かれる。問い合わせは、主催の東京湾海洋研究会。
東京湾の環境保全に取り組んでいる「東京湾海洋研究会」はきょう五日、横須賀市若松町の「東京ガス横須賀ショールーム」で、東京湾でとれたアジやメバルなどの試食会やアナゴやメゴチなどのさばき方を指導する講座「街の中の魚市場」を開く。午前十時開始。定員は先着十五人、参加費千円。問い合わせは同ショールーム。
東京湾は生きている!先ごろ横須賀市内で開催された「江戸前の健康な海をみらいに」と題した市民シンポジウムで、今も残る東京湾の美しい自然の姿が、次々に披露された。しかし、一方で進められる埋め立て計画。どっこい生きている美しい海を、守り育てながら未来に引き継いで行くには、どうしたらいいのか-。(三好秀人記者)
五月二十一日、横須賀・京急汐入駅前のヨコスカ・ベイサイドポケットで開かれたシンポジウムは、市内からの参加者約五百人でぎっしり。初めに東海大情報技術センターの坂田俊文所長は、衛星写真を使いながら「東京湾は大きな食糧倉庫」と位置付けた。
東邦大講師で海洋生態研究者の風呂田利夫さん、東京湾の三番瀬を守る市民団体代表の小埜尾精一さん、海洋ジャーナリストの一柳洋さん、売れっ子水中写真家・中村征夫さんの四人がスライドや記録映画を使って、東京湾の素顔を紹介。
千葉沖の三番瀬で続くアサリ漁やボラ、スズキの巻き網漁。湾奥部のヘドロの海でしたたかに生き抜くカニやエビの生態。また、横須賀・観音崎周辺に生息するカラフルなトロピカルフィシュなど、自然の鮮やかで多彩な表情が画面に写し出された。
「海の汚れ具合を見に(東京湾に)潜ったら、生物がたくさんいて驚いた。人間は生き物側の対策を考えないで埋め立てたが、生物の方は(湾を)生活空間として使おうとしている」(風呂田さん)。
「ヘドロの中でもカニが、りんと顔を出しているのを見て、ワクワクした。湾が自分で自分を守っている。この海は生きているんだ」(中村さん)。
パネリストの説得力ある一言ひと言に、会場を埋めた参加者は真剣な表情。当日、会場で集められたアンケートに、市民は「東京湾は人間からどんどん離れていく」「たくましい生物たちに心打たれた」「いつまでも江戸前の魚を食べたい」と、さまざまな感想、意見をしたためた。
東京湾の浅瀬の九割は、既に埋め立てられ、消滅した(風呂田さん)。残り少ない、多様な生物が生息する浅瀬は今、再び埋め立てられようとしている。
横須賀市の「ポートフロンティア構想」は大津、馬堀沖などを対象にした大規模埋め立て。そこに旅客船や専用ふ頭、マリーナなどを整備するものだ。
埋め立て面積は百七十〜百八十ヘクタール。外国航路旅客船用のふ頭、計千二百隻のヨット、プレジャーボートを受け入れるマリーナ、人工海浜の計画も盛られている。
谷戸という特殊な地形に阻まれた横須賀の、経済発展の活路を見いだす拠点にする大プロジェクトである。
総事業費は二千四百億とも、二千六百億ともいわれる。完成目標を二○○三年(平成十五年)とするが、市の財政力や、冷え切った経済環境を考え合わせると、その実現性を疑問視する声は少なくない。
しかし、市側は真剣だ。「江戸前の健康な海をみらいに」に参加した市幹部の一人は、シンポジウムの内容を高く評価しながら、こう言う。「陸の緑わ開発するのは、もう限界がある。残されたのは海。何も自然を破壊していい、とは思わない。計画では親水性や環境への配慮も十分に行う」と。
「緑の保全」のテーマは、陸上だけでなく、海にも当てはまるジレンマだ。シンポジウムの司会を務めたテレビのニュース番組で水中リポートに取り組んでいる須賀潮美さんは、こう言った。「悪い環境の中で、生物たちはたくましく生きている。悪い環境をつくった原因は人間、と思うと心が痛む」
きょう横須賀で
「知る・食べる・考える」を三本柱にした東京湾イベントの「食べる」が五日午前七時から、「街の中の魚市場」と題して東京ガス横須賀ショールームで開かれる。アナゴ、イワシやスズキ、タコ、クルマエビなど江戸前の”市場”が登場する。
「江戸前」ネタによるにぎりずし、フランス料理も。また、「知る」は十二日午前十時から、横須賀・観音崎で「磯の自然観察会」が開かれる。問い合わせは、主催の東京湾海洋研究会か、東京ガス。